ホビット? ハーフリング?

新種の人類:大人でも身長1m 1万8000年前の骨発掘

インドネシア・フロレス島の約1万8000年前の地層から、大人でも身長が約1メートルしかない新種の人類の頭や足などの骨を発掘したと、オーストラリアなどの研究チームが28日発行の英科学誌「ネイチャー」に発表した。頭骨はグレープフルーツほどの大きさ。

これまでの定説では“原人”からわれわれの祖先であるホモ・サピエンスが分かれたのが60万年前。ホモ・サピエンス以外の人類(原人)が絶滅したのが20万年前。ネアンデルタール人のような“旧人”と呼ばれるホモ・サピエンスが、現生人類であるわれわれ“新人”との生存競争にやぶれ絶滅したのが約3万年前とされている*1。今回発見された新種の人類は「ジャワ原人の一部が数十万年前に何らかの方法で海を渡ってフロレス島に移住したのではないか」と推測されているそうだ。そうなると原人の絶滅時期が20万年前から1万8000年前まで一気に近づくことになる。伝説の小人族や巨人族が想像の中だけのものじゃなかったのかもしれないと考えると想像は膨らむ。
ホモ・フローレシエンシス
(追記)'Hobbit' joins human family tree
id:walkeriさんの今日の記事より、より詳しいBBCの報道(英文)を知る。こちらでは記事のタイトルにモロ“ホビット”ってつけてます。トールキン先生の著作権を管理してる会社に「ホビットって使っちゃダメ!」って怒られますよ(笑)*2。冗談はさておき、この人類は発見された島の名にちなんでホモ・フローレシエンシスと呼ばれるみたいです。発見された骨は1万8000年前のものですが、記事ではこうも伝えています。

The last evidence of this human at Liang Bua dates to just before 12,000 years ago, when a volcanic eruption snuffed out much of Flores' unique wildlife. Yet there are hints H. floresiensis could have lived on much later than this. The last legend featuring the mythical creatures dates to just 100 years ago. But Henry Gee, senior editor at Nature magazine, goes further. He speculates that species like H.floresiensis might still exist, somewhere in the unexplored tropical forest of Indonesia.
リアンブア洞窟で発見されたホモ・フローレシエンシスの痕跡は、1万2000年前の火山噴火で島の生物が絶えた頃までは確認できている。しかし地元の言い伝えには、100年前まで彼らが生きていたことをを仄めかすものがある。ネイチャー誌の編集者ヘンリー・ギーはホモ・フローレシエンシスのような種が、まだインドネシアの未探検の熱帯林のどこかに存在するかもしれないと推測している。

これはまさに『三つ目がとおる』のポキ族ですね。フィクションの想像力は現実を超える。


(さらに追記)このExciteニュースの記事和文では一番充実してるかも。

*1:参考:ヒトの誕生

*2:そのへんの経緯はここあたりを参照。