ノウイング

個人的には面白かったけど、日本人向けの作品でないことは確か。ニコラス・ケイジの顔芸は堪能できる。以下ネタバレなので続きを隠す。
では、感想。予告編を見た限りでは、結構予算をかけたディザスター・ムービーなのではないかと期待が膨らむ。飛行機は墜落し、地下鉄は脱線し、とどめに爆炎に包まれるビル街あり。しかし、物語は歴史上の大事故が予言されている暗号文を軸に、オカルト的な展開を見せる。ニコラス・ケイジ演じる天文学者は妻の事故死が予言されていたこともあり、あっさりと暗号の予言を信じてしまう。そして、これから起きる事件を防ごうと奮戦するがことごとく失敗する。
五十年前に予言を残した人物の部屋で、聖書エゼキエル書の有名な預言のシーンが描かれた紙を見つける。それはこの先の未来を指し示すものだった。ぶっちゃけた話、全人類が滅亡する太陽フレアの爆発に際して、選ばれた人だけが救われるというオチ。患難前携挙って奴だ。宗教画に描かれているような天使が舞い降りるわけではなく、UFOに乗った宇宙人っぽく描かれているのがらしいといえばらしい。宗教的題材をSFXを用いて描くと、なんともB級臭い雰囲気になるから驚きだ。こうした黙示録ものはアメリカでは一定の需要があるようだ。日本人の感性では、で、なんだったの? となるだろう。とまれ、ニコラス・ケイジのファンか、オカルト好きには文句なくオススメできる。トンデモ映画として自分は充分に楽しめた。