じぱんぐ島の開拓者たち

三連休最期の日。給付金支給の手続きのため寒い中自転車でかけずり回った。疲れたけど一段落して良かった。疲れすぎて夕食前に一度寝入ってしまったけど。
で、日記の件名の「じぱんぐ島」。別に調べたいと思った訳じゃないけど、何の気なしにWikipediaの「カタンの開拓者たち」の項を見ていたら、以下の一文が目についた。

また、このゲームを基にしたテレビゲームで「じぱんぐ島」というものがあり、プレイステーション専用ソフトとして発売されていた。

え、「基にした」ってライセンスされたわけじゃないよね。どういうこと? と思ってPS3起動。PSNゲームアーカイブスを検索するとありました「じぱんぐ島(じま)」。元のPS用ソフトがPS3PSPで遊べるようになってる。600円のダウンロード価格だったのでためらうことなく購入。

なんとも懐かしい感じのローポリの3Dキャラが動き回る荒いムービーのあと、やけにあっさりとしたメインメニュー。日本風のお城の絵がバックなところを見ると、カタンの舞台を和風に置き換えたゲームのようだ。メニュー画面から参照できるルール説明を読むと、基本的なルールは一緒のようだ。土地の名前と得られる資源は以下の様に置き換えられている(括弧内がカタンでの名称)。

たんぼ(耕作地)−米(穀物
村(牧草地)−人(羊毛)
森(森林)−木(木材)
岩山(丘陵地)−石(粘土)
鉱山(鉱山)−鉄(鉱石)
隠れ里(対応無し)−金(対応無し)

見ての通りほぼオリジナルに沿った形だが、レアアイテムとして金が出てきたり、砂漠のかわりに荒れ地や未開地、都(みやこ)なんてのもある。とりあえず、ざっとルールを読んでプレイしてみた。
……ぉ?……ぉお?!……こ、これはおもしろい!!
カタンから大きく変更されているのは二つ。まずプレイヤー間の交易が廃止されて、資源カードの交換は貿易のみとなっている点。これは対人戦でのコミュニケーションの楽しみを大きく損なうものだが、そもそも一人プレイが基本のテレビゲームの場合、あまりアタマの良くないCPU相手にカード交換の駆け引きを楽しむのは難しい。中途半端な実装をするくらいなら省いたのは賢明というもの。
もう一つの大きな変更点が「戦(いくさ)」! じぱんぐ島ではさまざまな効果を発揮する「カード」を引くには資源の「金」が必要となっている。そのかわりいわゆるカード材と呼ばれる「米(穀物)、人(羊毛)、鉄(鉱石)」で「兵」ユニットを生産する事ができる。これを米のコストをはらって街道沿いに移動させ、敵プレイヤーの建物に攻め込ませる事ができるのだ。
これが滅法おもしろい。オリジナルのカタンでは敵の陣地に自陣を包囲されると、新たな建設ができなくなり事実上「詰む」事がままある。これが資源を兵に投入する事で敵陣に攻め込み、失地回復をはかることができる。戦国時代風のアレンジとも相まってこれはなかなか燃える。
ほかにも出目の7で起きていた盗賊イベントが廃止され、ダイスのゾロ目で「一揆」が起きるようになっていたり、1ゾロがファンブル扱いとなって大災害イベントが起きたりと、なかなかにカタンをやり込んだ制作者がチューニングをほどこした形跡が見て取れる。このゲームが埋もれてしまったのは制作会社が倒産してしまった事もあるけど、やっぱり自社のオリジナル作品だと胸を張れるものじゃないという事もあるんだろうなあ……。もっとも、ゲームのルールみたいなアイデア著作権で保護されないからこそ、この程度のアレンジがしてあれば堂々と今でもアーカイブスで売られてるんだろうけど。
で、ダウンロード購入したこのソフト、最初はPS3で遊んでたんだけど、ふと思いついてPSPでも起動してみた。PSNでダウンロード購入したアーカイブスのゲームは、PS3PSP両対応のものなら一度の課金でどちらでも遊ぶ事ができる。うん、PSのゲームは大画面で遊ぶより、PSPの高精細な液晶で遊ぶ方がしっくりくるね。ムービーの粗なんかもうまく誤魔化されるし。
これは他にもアーカイブスのゲーム漁ってみたくなりそう。