to be, not to be

七時起床。深夜二時過ぎにも一度目覚めてて、テレビを点けたら「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」をやっていたので観る。第十二話「ESCAPE FROM」だった。家出するタチコマの話がAパート、電脳に引きこもる映画監督の話がBパートのオムニバス構成。確かにどっちも逃避してますね。この次の第十三話「NOT EQUAL」(海上プラントにゲリラが立てこもる話)くらいまでは東京に居た春先に日テレで観ていたけど、その先は北海道に越しちゃったので未見。そろそろSTVのほうでも気合入れて観なくちゃならない。「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」は北海道の地上波でやってくれるかなあ。スカイパーフェクTV! に加入しろと言うことですかね。公式サイトでスタッフを見るとAパートの作画監督は海谷敏久。さすがに女の子がかわいく描けてる。「人狼」の女性キャラは全部(といっても同じ顔のヒトが二人だけだけど)、海谷敏久氏が描いたと言う噂を聞いた事があるけど本当なのかしらん。

あいかわらずボイスが萌え萌えのタチコマとこの少女しか出てこないと言う、攻殻機動隊SACにしては男臭くない画面(一応主人公の草薙少佐も女性だけどねえ……)。Aパートのラストカット、愛犬の死を受け入れた少女を体内のコックピットに乗せて家路を急ぐタチコマの表示パネルに「to be, not to be」の文字がアイキャッチ風に流れる。ハムレットですか。天然オイルに残留していた「記憶」に触発されたタチコマの発する「生きてるってなんなの」という問いが、今回のテーマを端的に示していて興味深い。

続くBパートは最低限の生体脳を生命維持装置とともに電脳に組み込んで脳内引きこもりした映画監督という、なんとなく身につまされる話。監督の電脳にダイブした少佐は彼の映画を見て我知らず涙を流すけれど、映画監督のゴーストと対峙して現実逃避と切り捨てる。それでも現実以上に虚構が心を揺り動かすことは自明のことで、事件の落着後憂いをおびた表情でバトーと世間話を交わす少佐に感情移入してしまう。存在すること(to be)も存在しないこと(not to be)も、現実も虚構も受け入れるのが「生きる」ということか。

そんなわけで細切れに睡眠を取っていたせいか、新しいクスリの所為か後頭部に若干の痺れが残る目覚め。今回は実験的に画面キャプチャ多めでアニメ時評blog風にしてみました。使用画像はすべて、製作元プロダクションI.G.の各話紹介サイトからの引用です。他のアニメ製作会社もこのくらいやってくれりゃネットで紹介しやすいんだけど、むしろちゃんと自社で著作権管理を徹底してるI.G.だからこそ、自社サイトでのコンテンツ紹介も出来るということなのかな。
http://www.production-ig.co.jp/anime/gits3/episode12.html