酒と立体視の日々

学校休みな上映画サービスデーということで2本ハシゴしてきた。「塔の上のラプンツェル」と「攻殻機動隊SAC SSS 3D」。はからずもどちらも3D上映の映画で、立体視メガネがちょっと合わなくてなかなか目の疲れる体験をした。
映画はどちらも面白かった。ラプンツェルは元となった民話とのギャップに驚いたけど、かなりの力業で観客をねじ伏せる脚本力に感心した。元の髪長姫にいばら姫を足して「馬」で糊付けした感じ。馬大事。マジ重要。ストーリーの矛盾点や出来過ぎな部分をこういう形で処理する手法は難しいけど今回は成功。観客の情動の流れを無理なく操ることに注力して、納得させるやり方の一つとして大変勉強になった。
また、脚本家は今のディズニーに求められてる新たなプリンセスを創造するという大仕事を見事にやってのけたと思う。ハワード監督と脚本のフォーゲルマン、そして制作総指揮のジョン・ラセターの「ボルト」組はこれで実力を見せつけただろう。エモーショナルな映像と、日本語吹き替えも良し。しょこたんよくやった。できれば歌も本人に歌って欲しかったけど、ここはディズニー品質に足らないと踏まれたか別のシンガーがあてている。グレンラガンの「happily ever after」で泣かされた身としては中川翔子に歌わせてやれよと思ったが……。
攻殻SSSは5年前のDVD作品の焼き直し。主に電脳空間を中心に立体映像化されている。2Dのキャラに奥行きがついているのは慣れるまで若干の違和感があったが、まあここは慣れか。攻殻SAC独特の歯車の様な形状のディスプレイに神経細胞を模したようなオブジェクトが展開する電脳空間は立体映像になって、より「らしく」なった。この先PCやスマートフォンの映像表現が進化する上で、立体視を取り入れるのはアリじゃないかと初めて思った。PCやケータイの「画面」から離れて、実視覚の中にARの様な形で情報が表示される場合は、視覚の奥行きのどこに表示させるか決める必要があるからね。
神山監督はこの攻殻SSSで孤独なニートが高齢化して社会の不要物となった姿を描いているけど、そこからより現実の社会に引き寄せて「東のエデン」にたどり着いたというのがよくわかる。2万人の失踪児童に2万人のニートか。なにか思い入れのある数字なのかな。
そのあと書店めぐりをしたあと、高校時代からの友人たちとすすきのの中華屋で飲み会。東北飯店はリーズナブルで旨い! これで満足して寝られる……。