「イレブンフーズ」 品川区東品川1-34-23
品川図書館に行くついでにラーメンでも食べるかと寄った。路地裏を自転車で流しているときに見つけた店。調べてみるとラーメン王の大崎氏もウェブで取り上げる、隠れた人気店らしい。11時半に到着したら、すでに10人くらい並んでいる。京急新馬場駅から5分ほどの住宅地。しかもクルマが通るときは人間が道の端に寄らないとならないような路地裏だ。行列がなければ営業しているとは思えない古びた民家のような外観に少なからず引いてしまう。15分ほど待って店内へ。店先のケースからお絞りを自分で取り、水も当然セルフサービス。カウンターには10人ほど座れて、麺茹でも一遍に行うらしくまとめてオーダーを取っていた。メニューはラーメン700円とチヤシウメン(と書いてあった)1000円。それぞれ100円増しで大盛りが可能。主たる客層である近所のガテン系の小父さん連はデフォルトで大盛り(笑)。チャ−シューメンが売り切れていたので僕は普通盛りのラーメンをオーダーした。カウンターに座った人の分を一気に作っているはずなのに麺が余ったらしく、普通盛り二つありますけど頼んだお客さんいませんか〜と店員が並んでいる人に声をかけている(笑)。だから店先にテーブルが出てて立ち食いもできるようになっていたのか。ラーメンは太くて食べごたえのある麺が若干濁った豚骨系のスープにたっぷり入っている。スープは野菜の甘味がずいぶん出ていて魚ダシの香りもする。江戸風のお雑煮のような感じと言えば雰囲気が伝わるだろうか。特筆すべきは具材で、たっぷりのワカメとコリコリした歯触りのキクラゲに、薄い味付けだけど分厚くてジューシーなチャーシューが2かけら。海苔が1枚に刻み生玉葱が振りかけられている。玉葱はみじん切りというより、さいの目切りというのが似つかわしい1cm角の大きなもの。これが一掴みは入っている。甘いスープと玉葱の辛味がマッチしてなぜか旨い。ぽっぽっ屋のこってり背脂のスープにはみじん切りの玉葱は合うなあと思ったけれど、まさかこんなさっぱりしたスープにも合うなんて……。唯一の追加トッピングはカウンターの上のタッパーに無造作に入れられている味玉。鰹ダシの効いた半熟でこれも美味。普通盛りでも今の僕にはちょっと多いかなと最初は思ったけれど、つるりと食べてしまった。食後もすっきりしていて大満足。ラーメンの概念を揺さぶられるというと大げさだけど、こういう味との出会いがあるから食べ歩きはやめられない。(18:40)
追加トリビア。イレブンフーズはかつて「みよし」という店名で営業していたことから、3+4+4=11で「イレブン」なのだそうだ。(22:10)