二時間ほど残業して、もそもそと帰路につく。昨日よりはぐっと気温が下がったので少しは過ごしやすい。朝晩と碌なものが食べられなかったので、晩は少しは腹にたまるものを……と思い見つけたのが、家から近い割に一度も入ったことがなかった横浜家系ラーメン店。店名は「ややや」って書いてあるのかな。書体が独創的すぎてよく読めない。カウンターだけの店内はまだ新しい感じでおしゃれなんだけど、どうにも雰囲気が暗い。入った時は誰も先客がいなかったし、その後も一人しか入って来なかったしな。
出てきたラーメンはまさしく家系ラーメンの王道と言える物。肉体労働で汗とともに失った塩分を補給すべく、あくまで塩っ辛い豚骨スープに、大盛りにしたわけでもないのにボリュームの過剰ながっしりした太麺（いや、実際には麺量は普通か少し少ないくらいなんだけど、麺の食べごたえがありすぎる）。トッピングはチャーシューと板海苔にほうれん草。さらに味付け卵を追加した。家系ラーメンって店によってブレが大きいといつも感じるけど、ここは本場の味をきちんと伝えている姿勢が感じられる。
うーん、わりと旨いのに客が少ないのはやはり店の雰囲気が暗いからかな〜。五十絡みの店主は寡黙な感じだし、二十代のわりと美人な女性店員は場末のスナックのほうが似合いそうな薄幸オーラ発しちゃってるし。色々と惜しいが何となくきになるお店かも。
