「CLOTH ROAD 1」集英社 脚本倉田英之 漫画okama ISBN:4088766695

CLOTH ROAD 1 (ヤングジャンプコミックス)
R.O.D」の原作者、倉田英之が作画にokamaを迎えての近未来アクション。近未来とはいえどことなく牧歌的な雰囲気が漂うのはokamaの作風に合わせてのことか。okama氏のこれまでの仕事といえばワニマガジンの青年向けのものが多く、ぶっちゃけて言えば成年指定漫画の仕事が多い。今作は少年向けのアクション物ということで、華美な装飾や流麗な描線は抑え気味。代わりにナノテクノロジーで紡いだドレスを着込んだ“モデル”達のリングバトル“WAR-KING”は勢いのある線で小気味良く描かれる。主人公達の抱える問題が提示され、窮地に陥ることで戦う動機は必然性を帯び、強大な敵に立ち向かう決意を固める。シナリオは過不足無く洗練されており出来すぎなほど。この第一巻で一つの物語は完結しており、更に強大な敵の出現を暗示して次巻に続く。双子の主人公達のキャラ立てはまだこれからという感じだが、今後の描き込みが楽しみ。
ところでokama氏といえば、甘子彩菜名義での仕事「マジックツリーハウス」がある。「インナーネットの香保里」を買うために児童書コーナーを覗いたら、このシリーズがもう11巻まで出ているのに驚いた。しかも売れているらしく全て平積み。okama氏の可愛いいキャラと精緻なカラーイラストが目の前に広がりクラクラする。これはタイミングを見て大人買いか……。しかし、この本を読んで育った今の子は、イラストを書いている人がかつては格闘ゲームなんかのエロ同人誌を描いていて、今でも成人向け漫画を描いてる人とは知らんだろーな。十何年かしてトラウマになっちゃったりして。