アマルフィ 女神の報酬

アマルフィってイタリアの観光都市で世界遺産だったのね。確かに美しい街並みの港町がスクリーンに映し出されるんだけど、映画の本筋はローマで進行するので映画のタイトルにするほどか? という疑念が残った。
が、気になるのはそんなことくらいの傑作。主演の織田裕二演じる外交官、黒田はクールでタフで格好良いし、海外での少女誘拐というデリケートな事件に端を発するストーリー展開は、テンポ良くエピソードをたたみかけ飽きさせない。これで母親役の天海祐希の演技が真に迫っていたら泣くところだったよ(これは嫌味)。原作が真保裕一で主演が織田裕二って『ホワイトアウト』と同じ組み合わせ。でも今作はアクション要素は皆無。「外交官に捜査権は無い」というセリフが出てくるなか、現地の警察すら頼りにならない状況での孤独な謎解きがスピーディーに描かれる。
あとは映画を見終わってちょっと思ったこと。日本のテロ対策や危機管理は相当甘いのだろうね。黒田みたいな公務員は本当にいるのかもしれないけれど、組織としての存在感は無い。そんなことも考えさせられる映画だった。