ジュブナイルとライトノベルのニュアンスの違いについて

mixiで書いた「ジュブナイル・ノベルズについて教えてください」というトピックへの返答を転載してみる。 自分の読書遍歴を整理する一助になった。団塊ジュニア世代には共感してもらえる部分もあると思うのだけど。

> ジュブナイル・ノベルズとライト・ノベルズの違い
言葉の用いられた背景を追いはじめると切りがありませんが、想定している対象読者によって使い分けられていると思います。
ものすごく大雑把にわけるとジュブナイルは小中学生向け。ライトノベルは中高生(とそれ以上)向けという気がします。


ジュブナイルは大人向けにもっぱら書いている作家が、こども向けに目線を合わせて書いた小説というイメージがあります。もともと児童文学という意味ですし。
僕の場合は眉村卓ねらわれた学園)や筒井康隆時をかける少女)の作品が思い浮かびます。また、SFやミステリーなどのジャンル小説をこども向けにやさしく翻案した小説を指す、という使われ方も従来していたと思います。


ライトノベルは比較的最近できた言葉だと思います。おそらく90年代半ば。ティーンズノベルという言葉と呼称が揺れていた時期もあったと記憶しています。
漫画やアニメ調のイラストが表紙や口絵挿絵を飾り、商業的にもイラストが重視されています。ライトノベルの書き手はライトノベルを中心に活動される方が、これまで中心だったと思います(このあたりの境界は最近ぼやけ始めていますが)。


その他に、従来図書館で使われてきたヤングアダルト(13歳から19歳までを指す)という言葉や、80年代に今のライトノベルと似たニュアンスで使われていたジュニア小説という言葉もあったと思います。90年前後に各出版社がジュニア小説のレーベルを立ち上げたバブルのような時期がありました。個人的にはネオファンタジーという大陸書房(今は亡き!)のシリーズが好きでした。


このあたり、時と共に用いられ方が変わっていくので、人によって感覚が異なるかもしれませんね。僕は小学生のときに角川文庫のジュブナイルに出会い、中学生のときにソノラマ文庫コバルト文庫のジュニア小説にはまり、高校生になって角川スニーカー文庫ティーンズノベルを読んだという気がします。一時は離れたものの、社会人になってから電撃文庫ライトノベルをまた読むようになった……という感じでしょうか。

大陸書房が倒産したのは92年だったっけ。あすこはオカルト関係の翻訳書もたくさん出てたから、いまでは入手が難しい本もたくさんある。なんとかならないものか。
文中のネオファンタジーで、特に好きだったのが中井紀夫の「異形の惑星」という作品。これ雑誌連載だけで確か文庫化されてないんだよ。雑誌捨てるんじゃなかった、といまだに思う。