今日の読書本

狼と香辛料 (2) (電撃文庫)

狼と香辛料 (2) (電撃文庫)

食事時や眠る前の数十分を継ぎ足して、5日ほどで読了。1巻目は月初めに読み終えていた。ラノベ一冊にこれだけ時間をかけてしまうのは、やはりそれだけ忙しかったということらしい。経済小説という分野をファンタジーの衣に包んでライトノベルに持ってくるという着眼点は面白い。文章にはまだ生硬な部分があるけれど、丁寧で読みやすく好感が持てる。世界の命運や恋人の危機という重大な事態も、小説のプロットと言うことならむしろありきたり。それよりも商売の上での失態やおもわぬ散財など、誰でも(少なくとも社会人であれば)一度は経験したことのある身近な「経済」のほうが共感が持てると言うことだろう。問題はこうした地味な主題がライトノベルの主たる購読層の10代にアピールするのかということ。あるいは20代30代のラノベ読みが増えてきたからこそ、切り開くことのできた分野なのかも知れない。