「文藝 2004/春号」 河出書房新社 ISBN:4309976700
特集は行定勲。誌面に文藝賞出身の綿矢りさ芥川賞を取ったことが反映されてないのは、そっか受賞よりも前にこの本が出てたのか。行定監督については数年前の夕張ファンタスティック映画祭に「贅沢な骨」を出品していたときに、作品について語る姿に感心したのがファーストインプレッション。その後、テアトル新宿で贅沢な骨の主演女優つぐみのオールナイト上映があった時にゲストとして出ていて、ここでも映画制作について熱く冷静に語っていた(そういやその日は行定監督の師匠筋にあたる岩井俊二の「リリィ・シュシュのすべて」の公開初日だった)。上映終了後ああ終わったと明け方の新宿で伸びをしたら、監督もずっと映画を見てたらしく観客と一緒に映画館から出てきたのを目撃。これは気骨のある人だなと。ロングインタビューは監督の映画製作に対するモチベーションがわかりやすく語られていて、読みごたえあり。死に拘る行定監督の心は幼年期のままだという自己分析は痛々しくわかる気がする。