「トゥモロー・ワールド」2006年/米・英/114分

二番館でようやく見てきた。「ガタカ」や「時計仕掛けのオレンジ」が好きなら、見て損はないかと。主人公は四十代のおっさんだけど、最後までほのめかしに終始する「人類救済組織」の存在や、予定調和的なキリスト教イコンの扱い(主人公の動機付けになっているものだけど、ネタバレになるので詳細は控える)など、セカイ系の匂いも感じる。マクガフィンの扱いがセカイ系っぽいのかな。セカイ系作品の自分と恋人の関係性が他の一切と関係なく世界の命運と直結するあたりの仕掛けと、ヒッチコックの時代からのマクガフィンの構造の関連性について少し考えてみたくなった。
ところで、祝日の晩の二番館のレイトショーということで、札幌で見られる最後の機会だったわけで。ミニシアターの客席は少々驚くほどの大入り。ひさしぶりに暗い劇場の中で、人の気配に埋没して映画にのめりこむ心地よい経験をした。DVDではなかなかこうはいかない。