韓国の歴史教科書では「朝鮮は中国の属国ではなかった」としているそうだ。
そういえば何年か前に、扶桑社の「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書に韓国から修正要求を出されたことがあった。件の教科書が来年から東京都で使用が決まったことで、また物議をかもしたことは記憶に新しい*1。僕は政治にはあまり興味の無いボンクラだし、この日記でも政治に関わる話題はあまり書かないようにしている。今日、この話題を取り上げるのは、ネットで調べているうちにあまりにもおもしろくなっちゃったため。
まず驚いたのが韓国には一種類の国定教科書しかないということ。中国やロシアみたいな国ならわからなくも無いが、民主化して20年経つ国とは思えない情報統制ぶりである。ちょっと引用してみる。
まあ、そのとおりだけど大事なことが欠けてる。
1895(明治28)年,日清両国は下関条約を結び,清は朝鮮の独立を認めるとともに,日本政府の財政収入の3倍に当たる賠償金3億円を支払い,遼東半島と台湾などを日本に割譲した。
『新しい歴史教科書』
日清講和条約第一条、『清国は朝鮮国の完全無欠なる独立自主の国たることを確認す。因て右独立自主を損害すべき朝鮮国より清国に対する貢献典礼等は将来全く之を廃止しすべし』が抜けている。李氏朝鮮が清の服属国であったことから目をそらさせるために、この条文には触れることができないのだ。
まあ、皇国史観でも侵略でも進出でも韓国は独立5000年でもなんでもいいんだけど、日本の文部省検定を通った教科書の内容を指摘する暇があったら、自分とこの教科書のバリエーションをもっと増やしたら? とは思う。日本のいいところは日教組の先生達が教えてくれる自虐史観も「つくる会」の右寄りな教科書も、客観的な史実に間違いさえなければOKとしていることだ。だからこうして異なる立場の見方を比較することもできる。
韓国や中国の要求する謝罪や補償に対しては、正直なにが争点なのか理解しがたいと思っていた。今回、日本と韓国の歴史に対する見方を調べてみて、ぼんやりとイメージができてきた。今の韓国ブームが落ち着いたら、実際に韓国に行ってみたくなってきた。司馬遼太郎じゃないけど、事前に訪問地を綿密に調べてから「確認のために」訪問するっておもしろそう。
(参考リンク)
- 新しい歴史教科書をつくる会 あたらしい歴史教科書
- 明石書店 こっちは韓国国定教科書翻訳版の版元
- 国際派日本人養成講座 ここのメールマガジンのバックナンバーを読んだのが事の発端
- 教科書問題を考える市民ネットワーク・ひろしま こっちは「つくる会」を批判的に見ている側
- 弁護士佐々木知子氏の戦後処理問題のページ ドイツと日本の戦後処理の比較
- 井沢元彦「韓国・中国の「死者に鞭打つ文化」になぜ迎合するのですか」「SAPIO」7/25号 易姓革命と事大主義という文化
- コリアンジェノサイダー・nayuki 既存のゲームキャラを用いた笑韓ショートストーリー