アニメ世代雑感

アニメとアニメーションの違い なみきたかしさんに聞く (YOMIURI ON-LINE 2004/8/10)
日刊海燕さん経由。学生時代入会していた北大アニメーション研究会で、ウチは「アニメ」をやってるんじゃない、「アニメーション」のサークルだ! と拘っていたことを思い出した。*1甚だしくは「アニ研」と略されることもあり、“アニ”ってなんだ! と怒っていたいた人がいたよーな記憶も。新入生のサークル勧誘や学園祭の時期には“動画”という言葉を使ったり、“映像芸術研究会”と名乗ったりもしたが、どうもアピール度としてはイマ一つだったようだ*2。アニメーションは技術的なものを含んだ広い言葉で、アニメは作品のみを指す言葉(ことに日本で制作される作品)だという意識があったのですね。北大アニメーション研究会は作品を鑑賞するサークルではなくてフィルムを制作するサークルだったからその辺意識が先鋭化していたのかも。
YOMIURI ON-LINEでなみきたかし氏の言うところをまとめてみるとこん感じだろうか。animationの訳語として最初に考え出されたのが「動画」という言葉。しかし、より噛み砕いた表現として一般化したのは「漫画映画」という言葉だった。60年代に動画の技術的な意味として「アニメーション」というカタカナ語が用いられるようになり、1977年以降の第一次アニメブームでアニメ雑誌などが若者向けの言葉として漫画映画の代わりに「アニメーション」を用いるようになった。ただしすぐに略されるようになり、「アニメ」という和製英語が誕生しもっぱらこれが用いられるようになった。
僕はギリギリ漫画映画という言葉を親から聞いて育った世代(72年生まれ)かもしれない。確かにこどもの頃、両親にテレビマンガばかり見てちゃダメ! と叱られたことはあったけど、アニメという言葉は聞いたことがなかった。今は僕がアニメアニメ言ってるので(笑)、親も普通にアニメを理解している。これ、両親がアニメという言葉を普通に使うのって、第一次アニメブームのときに青春期を送った世代からということになるね。とゆーと、1960年代生まれの世代からか。すでに40台半ば、母親なら大学を卒業したくらいの子がいてもおかしくない年齢。なるほど〜。
今ではアニメはアニメという単語として一般化してしまっている。アニメーションという言葉を口にするのは、ある程度意識的にアニメを見ている層ということになるのだろうか。普通に中学校くらいまでテレビアニメを見て、その後ほとんど見てないや、というヒトの頭の中にアニメーションという言葉がインプットされているかどうか気になるところ。このインタビュー、もう一つ気になる点があるのだけど、長くなるのでいったんここで切る。

*1:90年代前半のお話。

*2:“映芸研(えいげいけん)”などと略したりもした。“現代視覚研究会(げんしけん)”とおそらくルーツは一緒でしょう。