そろそろ夏休みもおわり

広島ももう四日目。だんだん気候にも慣れてきた。今日は特集上映よりも、ネクサスポイントというプロ作家のティーチイン中心に参加。
ポール・ブッシュは自らが教鞭を振るうNFTS(National Film and Television School)のカリキュラムを通じて、映像教育について語っていた。ここは一年に30名程度しか生徒をとらない少数精鋭の映画監督専門の教育機関。監督専門というのがミソで、とにかくフォルムディレクションのすべてを叩きこまれるようだ。今回の広島のコンペティションにも卒業生の作品がいくつも通過しているようなのだが、これもNFTSの方針で学校や指導教官の名前は出さないのだそう。「傑作ばかりならいいが、駄作に自分の名前が乗るのはちょっとね……」とか、相変わらずのポール節。しかし、ここは教育課程としては大学院にあたるそうで、生徒の年齢層も20代後半から40代までと幅広いらしい。自分に十分な蓄えがあったら、英語の習得も兼ねて門を叩いてみたいわ……。
もう一人、伊藤有壱さんの話も聞いた。明日上映される新作の解説ということだったが、話のほとんどはこれまで伊藤さんがどういう気持で制作を続けてきたのか、という話だった。気さくな雰囲気とフランクな話口で、自分はこの人の話を聞くのが本当に好きなのだが、クレイアニメの世界で常に業績と評価をあげ続けるための壮絶な努力が飄々とした雰囲気の裏にはあるのだな……。色々と勇気をもらいました。
そのあとは海外作品の上映などつまみ食いしながら、夜のコンペティションと最後の広島飲み会に備えて、一度ホテルに戻って一休み。
このフェスに参加し始めた20代後半のころなら考えもしない行動だけど、人間だんだん体力と相談しながら動くようになるものね。創作のエネルギーを稼ぎ続けるためにも、体力づくりも必須だなーとしみじみ感じるこのごろ。