「Vフォー・ヴェンデッタ」2005年/米/132分

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実家の近くのシネコンにて。10時前に劇場に着いたら、さすが連休だけあって家族連れでいっぱい。チケットを買うまでたっぷり15分は並ばされた。なのに「Vフォー・ヴェンデッタ」のかかっていた3番シアターに観客はぼくを入れて4人。みんなコナンとクレしん海猿なの?! それとも意外とチェケラッチョ目当て?
えーと、てなわけで感想。コミックが原作ということもあるのか、主人公のVに若干類型的な不死身ヒーロー要素を感じたけれど、アナーキーな映画が大好きな自分は大興奮。これは素晴らしい。「ファイト・クラブ」や「ガタカ」、ちょっと古いところでは「時計仕掛けのオレンジ」あたりが好きなら見て損は無い。
映画の冒頭でガイ・フォークスの史実について説明が入る。人形を焼いて町を練り歩くイギリスのお祭りだという知識はあったけど、実際の事件とその意義については初めて知った。国王を暗殺しようとしたテロリストを祭るイギリス人の感覚は、相当ひねくれてて興味深い。モンティ・パイソンのネタに使われていそうでもある。
予告編を見た限りではアクション主体なのかと思うけど、実はそこは要所を押さえている程度。だいたい主人公のV自体の出番が思ったより少ない。ナタリー・ポートマンの演じるエヴィーの視点が中心であり、またこの事件を捜査する良心的な刑事フィンチをはじめサブキャラが非常に魅力的だ。結構複雑な人物関係が展開され、劇中で一年間という時間経過を扱っているわりに、すっとストーリーがアタマに入るのは、ウォシャウスキー兄弟の脚本が良いのだろう。ここはあえて原作のコミックは読まないで置いたほうが自分には良さそうだ。
そんなわけで。あえて点数をつけるなら5点中4点。ただし客層は相当選ぶ。映画の性格的に、劇場よりも深夜のテレビ放送で鬱屈した高校生あたりに見て欲しいなどと妄想した。