劇場版ワンピース「オマツリ男爵と秘密の島」 2005年/日/90分

ハウル」を降板させられた細田守がこの劇場版に全力を傾けたのかどうかは知らないが。おもしろかった。そして怖かった。いきなりネタバレになるが、仲間を失った喪失感と長い孤独という重いテーマと、南国の太陽がふりそそぐパラダイスのような島のビジュアルとのコントラストが印象に残る。「蠅の王」の読後感に近い。一日と一晩でキッカリ物語が終わるのも良い。リリー・カーネーションという、この島に自生するという花がストーリーのポイントになる。百合カーネーション? と一瞬思った。ああ、リ・インカネーション(輪廻転生)か……。デザインが六本木ヒルズのキャラクターみたいな感じなのは村上隆とのコラボの影響かな。作画的な見方は苦手なのでスルーするけど、冒頭の「ガンバの冒険」みたいな波の表現から出崎? と思ってたら、クライマックスで出崎ハーモニーっぽいカットが入っててクスリと。館内のこどもらはあれは手抜きだと思ったらしくあれー? みたいな声を上げていた(笑)。