スタンドが来た!

STEEL BALL RUN スティール・ボール・ラン 3 (ジャンプコミックス) STEEL BALL RUN スティール・ボール・ラン 4 (ジャンプコミックス)
スティール・ボール・ラン 3」集英社 荒木飛呂彦 ISBN:4088736737
スティール・ボール・ラン 4」集英社 荒木飛呂彦 ISBN:4088736893
熱でボーっとしてても読めるもの、ということで買ったまま放置してたスティール・ボール・ランを消化。ジョジョパラレルワールドとは作者自身が言っていたことだが、あっさりスタンド能力が登場。

マウンテン・ティム「この能力を立ち向かうもの(スタンド)」とオレは個人的に呼んでいる……」

幽波紋」でも「そばに立つ」でもなくスタンドと読んで「立ち向かうもの」。いやこれはこれでアリでしょう。さすがは能力者バトル漫画のパイオニアにして牽引者の荒木先生。このスタンドは「悪魔の手のひら」という、かつて流れ星が落ちたという地に分け入ったものが身に付ける「呪われた能力」と説明される。そういやジョジョ第三部でスタンド能力を目覚めさせる矢は、グリーンランドに落ちた隕石から作られたという設定があった。
この物語の現在の主役ジャイロ・ツェペリはその名から類推されるように、ジョジョ第一部でジョナサン・ジョースターに波紋を伝授した人物、仙道の達人・ツェペリと関わりが濃厚。ジャイロ・ツェペリはティムの能力を目の当たりにして、自分の「鉄球」は「技術(ワザ)」だと切り返す。波紋使いスタンド使いの立ち位置がこのまま対立していくのか、それとも融合していくのか。さらにジャイロ・ツェペリの母国から彼の命を狙う反国王派の追っ手たちもどのような能力を秘めているかは未知数である。
単純なレースものとして展開していくかと思われた「スティール・ボール・ラン」だが、これまでのジョジョ六部作をパラレルワールドで統合しようとする試みも同時に行われているのかもしれない。