青い指

熱が出てる時は悪夢、の例に漏れず昼間からホラー系の夢。僕は「本当にあった怖い話」みたいなテレビ番組を見ている。番組は再現フィルムの場面で、大学生くらいの女性が友だちに自分の体験談を語っている。画面は女子大生の回想シーンへ移る。自室で夜寝ていてふと目が醒める。部屋の戸が少し開いていて、廊下の明かりが漏れている。家族の消し忘れかと不審に思い、起きようとするが金縛りで体が動かない。パニックにおちいりつつも戸と床の隙間を見つめていると、漏れ来る明かりに青い照り返しが紛れ込んでくる。これは廊下に青い服の人間がいるのだと女子大生は直感する。ひたひたと近づいてくる青い影。つと影の動きが止まり戸が廊下側に少しづつ開く。そこに見えたのは真っ青な人間のつま先だった。……というところでテレビは途切れ、夢の中の僕は番組内の女子大生と同じ姿勢で現実の部屋と同じ格好で寝ている。案の定戸は少し開いていて、明かりが漏れている。これは来るかな、と思っているところで青い影が! というところで本当に目が覚めた。ベタベタな展開である。実際には戸は開いておらず、時間もまだ日のある夕方だった。それでもやはり気持ち悪く、戸を開けるときに少しドキドキした。