夢二題

だらだらと選挙速報を見ていたら、知らずテレビを点けたまま眠ってしまっていた。深夜番組を聴きながら寝ていたせいか、妙に長い夢を二つ見た。一つ目はハリウッドスタイルの破局サバイバル映画みたいな絵作りが印象的な夢。自分は六歳くらいの白人の男の子。地理学者の父、生物学者の母と共にアイスランドの地下の実験都市に来ている。そこでなにか異変が起こって、身近にいた母の同僚の中年女性の黒人医師の手で妹と一緒にコールドスリープカプセルに入れられた。目覚めると外の世界の破局はすでに過ぎ去り、世界は穏やかになっているが人類の生き残りはこの実験都市にしかいないらしい。都市の再建に忙しそうな大人たちに、先に目覚めているという両親の居場所を聞き妹の手をひいて探しに出かける。と、ここで目覚める。妹と二人でやたら大きい映画館で「ジュラシック・パーク」を観たり、丸いガムの自販機がタダで出し放題だったりそーゆーところが楽しかった。子供だけの不安感より、開放感のほうが強い。明け方に見た二つ目の夢では、自分は七〇年代の江ノ島で小さな電器メーカーに勤めるOLだった。天才肌で社員を煙に巻く社長、頼りにならない眼鏡っ娘の先輩OL、長髪のヒッピーみたいな技術担当社員などキャラが妙に立っているのが可笑しい。新製品のアイディア競争で本当に街中を走り回る先輩社員(長井秀和に似ている)に引きずられ、巨大な木造工場を改造した駄菓子屋やなぜか温泉になっている掘割を見て回る。ラタンで編んだ籠みたいな巨大な蛍光灯を試作品として完成させ、社長の待つ旧江ノ島灯台まで走る。というところでこの夢も終わり。ライバルチームの長髪オヤジエンジニアをハイヒールで蹴倒したり、これもなぜか爽快感に満ち溢れていた。毎回こんな夢ばかりなら歓迎なのだけど。