「絶望に効くクスリ」小学館 山田怜司 ISBN:4091538118

http://www.youngsunday.com/rensai/comics/one_on_one.html
山田玲司のマンガは凡庸だが、自分語りはおもしろい。自虐的な人間というのはプライドが高いものだ。プライドを隠すために自虐的になる。その落差のプロセスそのものをマンガにしてみせる手つきが、これまでの山田玲司のマンガの光る点だったように思う(で、物語とかテーマを前面に出すと途端に詰まらなくなる)。独自の道を行き一つの到達点に達した人へのインタビューを通して、見えてくる作者の心の動きが興味深い。これは僕も作者も三十代だからこーゆー読みかたをしてしまうのかもしれないが。むしろ、十代の読者の感想が知りたい。