「呪禁捜査官 訓練生ギア」 牧野修 祥伝社 ISBN:4396331452
僕は牧野修とはどうも巡り合わせが悪い。「王の眠る丘」も「傀儡后」も読みはじめはするのだが途中で放擲してしまう。世界観には惹かれるし、ストーリーも平板とは思わない。どうも登場人物の台詞回しが気に食わないらしい。台詞の語尾でいちいち流れが止まるような感覚がある。変な波動が活字から湧き出ていてアテられる。その印象が変わったのは昨秋「乙女軍曹ピュセル・アン・フラジャーイル」を読んでから。これは飛行機の千歳-羽田便で一気に読み終えてしまった。抗体がついたか、本作「呪禁捜査官 訓練生ギア」も文庫に収められたのを機に読み終える事ができた。親しみ深い(?)オカルトワードが頻出するから飽きないし、なにより県立呪禁官養成学校の訓練生4人組の友情と成長を描いた、ビルドゥングスロマンもかくやという展開は萌え死ぬ。続編もノベルスで出ているようだからこれは読まねば。