同人誌印刷にも地道な営業努力があるということ

以前の勤め先の上司から電話があった。病気で辞めた前の職場じゃなくて、新卒で入った某フイルム会社の方。偶然今朝その会社のリストラのニュースなんかを見ていたので、そのタイミングにちょっとびっくりした。もっとも電話はそのニュースとは全然関係なくて、元上司のいま担当している業務用RGBスキャナについて知恵を求められた。同人誌印刷を手がけている得意先に売り込むために、そうしたカラー原稿を手に入れたいのだそう。なんだよ、やっぱりその手の話題かw
たしかに通常の製版で用いるCMYKスキャナでは、鮮やかなカラーインクやコピックみたいなカラー原稿は上手く再現できない*1。そのために蛍光インクを“特色”として追加するなどして、原稿どおりの鮮やかな色に近づけるのだけど、これはハッキリ言って職人技*2。そこでRGBスキャナを用いて、簡便に高品質な印刷データを制作するワークフローを提案しようということらしい。製版・印刷会社ってのはCMYKデータを扱うことにかけてはプロだけど、デジカメなんかで撮られたRGBデータの扱いはまだ慣れてないところが多いからね。
そんなわけで、プレゼン資料として使えるようなカラー原稿を持ってないかという電話だったのだけど、残念ながらいま手元にその手のモノは無い。ぼくに描けないかとも言われたけど、もう無理だって(汗)。だいたいアナログでカラー原稿なんて描いたこと無いや。どこかで購入するということなら、まんだらけあたりに生原稿があるかも……とは伝えておいた。いまの職場の同僚に現役の同人作家の人もいるから、原稿を借りられないか頼んでみようかな。さすがにプロの漫画家やイラストレーターの知人には申し訳なくて頼めないやw

*1:正確には業務用CMYKスキャナは、印刷インクで再現できる色を出すための色分解に特化していることが原因。ディスプレイでは綺麗に見えていたRGB画像をデータ入稿しても、印刷では上手く再現できないことがあるのも同じ理由。

*2:リンク先の印刷会社サイトの「5色KPフルカラー」というあたりの説明などを読んで欲しい。 → http://www.kanbi.co.jp/comic/3ka/manual/index.html