明晰夢

夕方うたた寝していて明晰夢を見た。明晰夢というのは夢のなかで自分は夢を見ていると自覚する夢のこと。こうした夢は偶然見られることもあるが、ある程度はテクニックもある。
一つは毎朝起きたあとは夢を思い出そうとすること。できればなにかに書き付けておくといい。これは一種の練習で、慣れれば結構覚えていられたりする。
もう一つは体調の問題。自分の場合は風邪を引いていたり体調が良くないときに見ることが多い。人為的にこの状況を作り出すにはアルコールを入れて酔った状態で寝ればいい。あるいは食後すぐに寝る昼寝とか。どうやら胃腸の動きと脳の働きには密接な関係があるらしい。
先ほど見た明晰夢は、中学生になった自分が、仲のいい友だち(現実には存在しない見知らぬ友だち)と学食でダベったりクラスで乱暴な連中に目をつけられたり、廊下で〝空中〟を滑る練習したりそのうち天井に落ちたりする夢。夢のなかでこれは夢だけど、今は目が覚めた世界の方が夢っぽいなとか思っている。
自分の明晰夢にはもう一つ特徴があって、それは同じ場所の夢を何度も見ること。今日の学校も、高校や大学に姿を変えて何度も同じ学校が出てくる。独特の湿ったような空気感や匂いでわかる。

他には砂漠のような荒地にそびえる柔らかい乳白色の石でできた塔の、周囲に穿たれている螺旋状の階段を登るとか、九龍城砦のようにビルや部屋がうずたかく積み重なった様な巨大アパートを彷徨するなんてのもある。
いつかこうした明晰夢を元にした小説を書いてみたい。