毎月恒例映画サービスデー、というわけでなけなしの千円札をはたいて二本観てきた。一本目は「127時間」。アウトドア大好きな青年が砂漠の真ん中の谷底で落石事故に巻きこまれ、致命的な怪我はなかったものの大きな岩に右手をはさまれて動きがとれなくなるというシチュエーションスリラー。
アメリカはコロラド州の渓谷は日本の山とは全く違って、岩砂漠が風雨によって削られた奇観の連続で、マウンテンバイクで駆け抜けたり自然の作り上げた断崖絶壁を自らの身体能力だけを頼りに乗り越えていくのは確かに楽しそう。
しかし映画本編はタイトル通り数日間にわたって身動きができない状況が延々と続く。片腕がなかば押しつぶされた状況で、独力でこれを打破するには、考えてみると実はあまり選択肢が無い。この限定状況を飽きさせずに見せる演出力はたいしたもの。どうもこの映画の原作は実話らしく、本編その後の状況も簡単に綴られているのだが、これも見終わった後の感触をいいモノにしている。とりあえず一人で山や旅行に行く時は、身近な人に行き先を告げておこうね、という教訓。
もう一本は「スカイライン-征服-」。ロサンゼルスをはじめ世界中の大都市に巨大なエイリアンシップがあらわれ、人間を洗いざらいさらっていこうとしている。それに巻きこまれる主人公達……というシナリオは実はあまり意味が無くて、ピーカン照りのロスの青空の下、エイリアンの繰り出す不気味なモンスターと、米軍の戦いがメイン。それも海兵隊が肉弾戦で突撃するようなのじゃなくて、無人機が雲霞の如く投入されるゲーム的な戦争。
あと、SF映画のふりして実はホラーの文法で作られているのがミソ。登場人物たちのおざなりな描かれかたが凄い割り切り感を感じさせる。物語の裏を読むとかそういう見方ではなくて、単純に映像の凄さに感嘆の声を上げればよろしい。
しかしあのラストにはここ数年で一番驚いた(八割方悪い意味で)。これは続編制作決定フラグなのかな?