リメイク映画

十三人の刺客」を観てきた。劇場の客席は意外と埋まってる。やはり若い男性客が多い。若干寝不足気味で観に行ったのだが、そんなことは忘れるほど見入ってしまった。二時間あっと言う間。久しぶりに興奮して我を忘れる映画だった。さすが三池監督。
いつもの作風に比べると若干エロ抑えめ。だけどグロ大盛り。ホラー映画でもないのに、ここまで血まみれ死体だらけの映画が作れるのは時代劇ならでは。せっかく火薬も使ったんだから、プライベート・ライアンばりの手足が吹っ飛ぶカットもあればもっと凄かったのに。そこは残念。
稲垣吾郎の馬鹿殿様ぶりは観てて爽快なほど。頭は切れるのに完全に狂っている藩主という役どころを、持ち前のイヤミなキャラクターで鷹揚に演じてしまっているのはキャスティングの妙というところか。一番おいしい役回りの、暗殺部隊リーダーを演じる役所広司は御目付というよりどっかの会社の頼れる上司という感じ。侍っぽくないけど親しみが持てていいかも。
圧巻の侍同士の立ち回りは大変エキサイティングではあるもののやや大味。真剣での立ち会いに知識のある人だと色々ツッコミどころは多いのだろうけど(特にこれでもかというばかりに派手な人を斬る効果音とか)、そこはさすがにヤクザ映画で鳴らした三池監督。ちゃんとスプラッタに描いてくれてます。
とにかく爽快で格好いい映画なので、難しいこと考えないで観るのが吉。あと、山形あたりでロケしたらしいのだけど、自然の風景が綺麗。この監督は妙に草木や山や川を叙情的に映すことがあるんだよな。