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13歳は二度あるか―「現在を生きる自分」を考える 他人と深く関わらずに生きるには (新潮文庫) 途方に暮れて、人生論
『13歳は二度あるか―「現在を生きる自分」を考える』大和書房 吉本隆明 ISBN:4479391231
『他人と深く関わらずに生きるには』新潮社 池田清彦 ISBN:4101035229
『途方に暮れて、人生論』草思社 保坂和志 ISBN:4794214928


『13歳〜』は、ちょうどいま13歳の少年少女を主人公にした小説を書いていたから参考になるかと思って。全体にリベラリスト的教養臭さを感じるが、国家や犯罪や死についての態度には共感できる部分がある。吉本隆明自身の戦争体験に基づいた部分については、とにかく大転機だったのね……という印象。『他人と深く〜』はなかなか刺激的。理系研究者で昆虫を専門にしてきた著者独特の人生観がおもしろい。それが個人のライフスタイルとして提案されている分には首肯できる部分も多い。反面、後半の社会システムについての考察は居酒屋談義の域を出ていない。著者の専門範囲を考えればまったく納得なのだが、人間は虫じゃないんだから……と思うことしばし。で、これから読むのが『途方に暮れて〜』。保坂和志の小説は数作読んでそこそこ好感を持った記憶がある。これはエッセイだから暇暇にゆっくり読もう。