映画化記念、とゆーわけでもないけど『最終兵器彼女(高橋しん)』全七巻を一気読みした。雑誌連載当初、第二話まで読んで「これはすごい!」と思ったけど、なぜかその後のコミックスもアニメもフォローしていなかった作品。少し前に全巻手に入れていてたのに、なかなか手をつけられずにいた。で、ふと一巻のページを繰ったらついつい最後まで。なんつーか、これはなんなんだろうという読後感。この恋愛の痛々しさと、突飛過ぎてシュールになってしまっている「全世界戦争」状況のコントラストが訳も無く心を揺さぶるといったところか。累計で三百五十万部を売り上げたなんて知識が事前に入っていたから、もっとポピュラリティの高い作品だと思い込んでいたけど全然違った。これは完全に中高生向けの青春漫画だ。水準が高いからこそさらに求めるレベルも高くなるのだが、あのラストはやはり凡庸で予定調和に過ぎる。もっと時系列をぶった切って、三巻くらいの分量に詰め込めば伝説的な傑作になったかも、などと贅沢な読者は考えるのだが……後付で言ってもせん無いことか。作者がこの漫画にかけた情熱の巨大さとテンションの高さはビンビンに感じるので、これを描いている間は脳内麻薬出っ放しだったろうなとピントのずれたところで羨ましく思った。あと「最終兵器彼女」っていうロゴはカッコいいよね。