昔を振り返ること

昨日からの体調不良で寝ては起きを繰り返していたので、夜明けには目が覚めていた。それからずっと横になりながら天井をながめて考え事をしていた。これまでを振り返ってあの時こうしていれば、と思い起こすことは多い。高校生のときのぼくは、いつも十歳のときまで戻りたいと思っていた。
ところが最近はそうした考えにとらわれることがほとんど無くなった。それはなぜかと考えていた。おそらくは鬱病にかかったことが原因なのだと思う。自分の存在の虚しさを思い知らされるこの病によって、人生のどの時点でどんな選択をしていたとしても、今に至れば同じ事だと思うに至ったのだ。つまり「今の」自分が虚無にとらわれていることは必然的な運命なのだと。そう思うことで少し楽になった気がした。生きているだけで丸儲け、とまでは悟れないが。