米サワーのつくりかた

米サワー
三日前に漫画の「リトル・フォレスト」(五十嵐大介)の話題で触れた米サワー。この検索ワードで来てくれている人が増えているようなので、少しは有用な情報を。米サワーとは早い話が甘酒を発酵させたもの、です。「一夜酒」なんていう雅な呼び方もあるみたいです。実は原料となる甘酒の製法には二種類あります。

  • 酒粕を使う方法
  • 米麹を使う方法

僕がこどものころ、我が家では酒粕を使ったものをつくっていました。スーパーなどで板状になったものをよく売っています。これに水と砂糖、塩少々を加えて溶かしながら加熱し、仕上げにショウガや吟醸酒を加えます。酒粕自体は日本酒を造る際の絞りかすですね。きっと酒蔵から直接手に入れた、吟醸酒酒粕は旨いとかあるんでしょうけど、よく知りません(笑)。
で、「リトル・フォレスト」で紹介していた米サワーは、米麹から甘酒をつくる本格派です。米麹も食料品店などで手に入ります(1Kgで1000円くらいかな)。より保存の利く蔵麹というものもあるそうですが、僕は現物を見たことがありません。以下に説明を加えつつ引用します。

  1. おかゆをつくり同量程度の米麹を加えます。冷ご飯に水と米麹を加えてもできます。米麹に対し、ご飯が多いほどでき上がりは甘くなります。
  2. よく混ぜてから保温します。漫画では夏場なら一晩常温放置でいいということ。炊飯器の保温モードを使うほうが確実かもしれませんね。
  3. これで甘酒の出来上がり。アルコール分はほとんどありません。砂糖を加えて火を入れるとそこで発酵は止まります。これをこのまま長時間かけて発酵させると日本酒ができます。その絞りかすが酒粕
  4. 米サワーの場合、ここで更に発酵を促す菌を加えます。ヨーグルトでも原酒でも良いということだけど、漫画の主人公はパンに使うイーストを使っていました。
  5. 半日ほどで発酵してガスが泡立つと出来上がりだそうです。甘酒とはことなり、これを漉してビンなどにいれて冷やして飲みます。
  6. そのまま放置して、さらにアルコール分を高めちゃうといわゆる「どぶろく」になります。

いい米麹が手に入ったらつくってみたいですね。簡単に酒粕を使って甘酒を作って、ヨーグルトとレモン果汁を加えて発酵させればインド料理のラッシー風になるかもしれない。こうした楽しみを自分で見つけるのも熱帯夜をクーラー無しで乗り切る生活の知恵かも。