デジタル草庵の夢

http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGN-U50/
ソニーの超小型ノートPCセグメント、VAIO Uシリーズは新製品が発表されるたびに物欲が刺激されて困りもの。銀座に勤めていたころは数寄屋橋ソニープラザまで駆けつけて発売前の展示品を眺めていたものだ。フルスペックのWindowsXPが載ったうえで外付けキーボードと感圧式デジタイザでPDAのようなスタイルになった、五月二十九日発売のVAIO type U。一つ前のモデルのU101が小さいながらもキーボードを備えたノートPCの体裁を保っていたことに比べると大きな変貌を遂げた。U101はノートPCの姿のまま小さくしすぎたことが裏目に出て、高精細すぎる液晶が目にやさしくなかったり、小さすぎるキーとキーピッチが快適なタイピングを損なっていた。ここを改善するためにSVGA解像度ながら小型で見やすい液晶、デジタイザの採用と二つ折りにして十分な大きさを備えた外付けキーボードの組み合わせという解を出してきたことには正直感心する。Appleの名作PDA、Newton MP2100に外付けキーボードという環境を作ったこともある僕としては、一つの理想を最新技術で形にしてくれたという気持ちだ。よくやったSONY
付属のポートリプリケーターにはUSB、LAN、IEEE1394、外部ディスプレイ端子などが装備されている。自宅で使う分にはこれに使い慣れたUSBキーボードとマウスをつなげば申し分ない。外出するときはリプリケーターから本体を取り外し、折りたたみキーボードと一緒にBOBLEB-E*1に放り込んで出ればいい。会社に勤めていた時分、物書きに費やす時間を確保するために、2Kgを超える重いiBookを持ち歩き、コーヒーショップやファミレスを渡り歩いていた。その頃なら間違いなく予約購入していたに違いない。今は自宅で17インチモニタを見る生活が中心なので必要性は無いのだが、外に出て雑踏のざわめきを聞きながらタイプをするのも乙な物だし、効率がいい場合もままある。デジタイザを使ってメモやスケッチができるのも良い。究極の落書きPCといえなくも無い。また一人暮らしをはじめるときにはモノを極限まで減らしたいので、こうしたコンパクトなPC環境は考慮に入れておこう。六畳一間にちゃぶ台とVAIO type Uだけなんて生活、デジタル草庵という気分にハマりそうだ。

*1:ハードシェルと特異な形状が目を惹くバッグ:http://www.boblbee.co.jp/